高校数学パズル系小問集

エレガントな解法を発見した瞬間の快感を是非味わってください!

(2017年3月19日更新)

 

問題

(1) 二次方程式 (x+1)(x-1)+(x-1)(x-2)+(x-2)(x+1) = 0  の 2 解を \alpha , \, \beta  とするとき, 次の式の値を求めよ.

\displaystyle \frac{1}{(\alpha-2)(\beta-2)}+ \frac{1}{(\alpha+1)(\beta+1)} + \frac{1}{(\alpha-1)(\beta-1)}

 

(2) 四次関数 f(x) = 3x^4-10x^3+6x  は1つの極大値と2つの極小値を持つ. そのグラフ上の極値を与える3点を通り, 対称軸が y  軸に平行である放物線の方程式を求めよ.

 

(3) フィボナッチ数列 \{F_n\}  を次で定める:

F_1 = 1, \ \ F_2 = 1, \ \ F_{n+2} = F_{n+1} + F_n \ \ \ (n = 1,2,3,\cdots).

この数列の中に下三桁が 999 になるような項は存在するか?

また下四桁が 9999 になるような項は存在するか?

 

(4) 与えられた \triangle ABC  に対して, その内部の点 P  から辺 BC, CA, AB  に下ろした垂線の足をそれぞれ D, E, F  とする. 次の式の値を最小にする点 P  の位置を決定せよ:

\displaystyle \frac{BC}{PD} + \frac{CA}{PE} + \frac{AB}{PF}

 

(5) 実数 a, b, x, y  が

ax + by = 3,

ax^2 + by^2 = 7,

ax^3 + by^3 = 16,

ax^4 + by^4 = 42

をみたすとき, ax^5+ by^5  の値を求めよ.

 

(6) 17 人のクラスがあり, 各々が他の全員と互いに手紙のやりとりをしている. 全ての手紙は, 日本語, 英語, フランス語の3カ国語のいずれかでやりとりされており, 同じ2人の間では常に同じ言語が用いられている. このとき, 互いに同じ言語で手紙のやりとりをした3人組が存在することを証明せよ.
 

 

 

 

 

 

略解

(1) f(x) = (x+1)(x-1)+(x-1)(x-2)+(x-2)(x+1)   とおく. この二次式の最高次係数は 3 であるから, f(x) = 3(x-\alpha)(x-\beta)   と書ける. このとき

\displaystyle \frac{1}{(\alpha-2)(\beta-2)}+ \frac{1}{(\alpha+1)(\beta+1)} + \frac{1}{(\alpha-1)(\beta-1)}

\displaystyle = \ 3 \left( \frac{1}{f(2)} + \frac{1}{f(-1)} + \frac{1}{f(1)} \right)

\displaystyle = \ 3 \left( \frac{1}{3} + \frac{1}{6} - \frac{1}{2} \right)

\displaystyle = \ 0. \ \ \ \ \Box

 

(2) f(x)=3x^4-10x^3+6x  を f'(x)=12x^3-30x^2+6  で割り算すると

\displaystyle f(x) = \left( \frac{x}{4}-\frac{5}{24} \right) f'(x) + \left( - \frac{25}{4}x^2+\frac{9}{2}x+\frac{5}{4}\right)

を得る. f'(x)=0  の3つの実数解を x = x_1, x_2, x_3  とおくと i = 1, 2, 3  について

\displaystyle f(x_i) = -\frac{25}{4}x_i^2+\frac{9}{2}x_i+\frac{5}{4}

が成り立つ. これは放物線 \displaystyle y = -\frac{25}{4}x^2+\frac{9}{2}x+\frac{5}{4}  が f(x)  の極値を与える3点 (x_1,f(x_1)), (x_2,f(x_2)), (x_3,f(x_3))  を通ることを意味する. 以上より求める二次関数は

\displaystyle y = -\frac{25}{4}x^2+\frac{9}{2}x+\frac{5}{4}. \ \ \ \ \Box

 

(3) どちらも存在する. フィボナッチ数列の隣り合う2数の組 (F_i, \ F_{i+1})  を \mod 1000  で考えるとその組み合わせは高々 1000^2  通りであるから, 鳩ノ巣原理より異なる2つの番号 i < j  があって

(F_i, \ F_{i+1}) \equiv (F_j, \ F_{j+1}) \mod 1000.

これにより \{F_n\}  は周期 T = j-i  を持つから,

F_{T+1} \equiv F_{T+2} \equiv 1 \ \mod 1000.

ここから1つずつ遡っていけば F_T \equiv 0, \ \ F_{T-1} \equiv 1 \ \mod 1000.

\therefore \ \ F_{T-2} \equiv -1 \equiv 999 \ \mod 1000.

下四桁の議論も全く同様なので割愛.  \Box

 

(4) BC = a, \ CA = b, \ AB = c, \ PD = d, \ PE = e, \ PF = f  とする.

a, b, c  は定数, ad + be + cf = 2 \triangle ABC  も定数であることに注意する.

\displaystyle \left( \frac{a}{d} + \frac{b}{e} + \frac{c}{f} \right)(ad + be + cf)

= \ (p^2 + q^2 + r^2)(s^2 + t^2 + u^2)

\geq \ (ps + qt + ru)^2

= \ (a + b + c)^2.

ただし \displaystyle p = \sqrt{\frac{a}{d}}, \ q = \sqrt{\frac{b}{e}}, \ r = \sqrt{\frac{c}{f}}, \ s = \sqrt{ad}, \ t = \sqrt{be}, \ u = \sqrt{cf}   とおき, Cauchy-Schwarz の不等式を用いた. 等号成立条件は 

\displaystyle \frac{p}{s} = \frac{q}{t} = \frac{r}{u} \ \Leftrightarrow \ d = e = f   

であるから, 求める点 P   は \triangle ABC   の内心である.  \Box

 

(5) f(n) = ax^n + by^n, \ n \in \mathbb{N}  について

(x+y)f(n+1) - xyf(n) = f(n+2) \ \ \ \ \ \cdots \ (*)

が成り立つから, n = 1, 2  として

7(x+y) - 3xy = 16,

16(x+y) - 7xy = 42.

これより x+y = -14, xy = -38  を得る. (*)  式で n = 3  として

ax^5 + by^5 = (-14)\cdot 42 - (-38)\cdot 16 = 20. \ \ \ \ \Box

 

(6)

補題 6個の頂点を持つ完全グラフの各辺を赤か青の2色で彩色したとき, 同色三角形が少なくとも1つ存在する.

補題の略証 ある頂点 A に注目するとそこから辺が 5 本出ている. 鳩の巣原理によってそのうち最低 3 本は同色であるがそれを赤としても一般性を失わない. ここで A と赤色の辺で結ばれた頂点およびその間の辺によってできる部分グラフを G  とすると, |G| \geq 3. もし G  の中の 2 つの頂点が赤色で結ばれていれば A とともに赤色の同色三角形をつくる. もしそうでないならば, G  の全ての辺は青のみで彩色されていることになるので, G  内で青色の同色三角形ができる.   \Box

元の命題の略証 17個の頂点を持つ完全グラフの各辺を赤, 青, 黄の3色で彩色したとき, 同色三角形が少なくとも1つできることを示せばよい. ある頂点 A に注目するとそこから辺が 16 本出ている. 鳩の巣原理によってそのうち最低 6 本は同色であるがそれを赤としても一般性を失わない. ここで A と赤色の辺で結ばれた頂点およびその間の辺によってできる部分グラフを G  とすると, |G| \geq 6. もし G  の中の 2 つの頂点が赤色で結ばれていれば A とともに赤色の同色三角形をつくる. もしそうでないならば G  の全ての辺は青と黄のみで彩色されていることになる. 補題によって G  内に同色三角形が少なくとも1つ存在する.   \Box